八頼 北より来し者と石壁

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「まだ彼が残っているはずです。彼と切り抜けたら、今後の援助もしましょう。今、こちらの存在まで悟られるのは面白くないのでね」 「ソレは……?」  アクロの言葉の意味が分からず、おもわず彼女は首をかしげた。 「例えば」  アクロは懐から何かを出し、そのまま投げた。  それはフルドラの上空を監視するように飛んでいた【鷲峰】に直撃し、炎上させた。 「ナ!?」 「ずっと監視されていたのですよ。まぁ位置的に私の姿は見えていないですけどね」  墜落する【鷲峰】をにらみながら、アクロは清水寺の入り口を見やった。 「なるほど、彼らか」  少し忌々しそうに彼はつぶやいた。
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