八頼 北より来し者と石壁

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「フルドラ」 「は、はい」 「追ってくる彼らを潰すのならば、此処に眠るアレを取り込みなさい」  アクロの言葉を聞き、さっとフルドラの表情が青ざめた。 「貴女が生き残る道はそれだけだ。もし奴らを取り逃がして、おめおめと生き延びているのならば、私じゃない、あの方が貴様を呪い殺しているだろう」  暗がりの中、赤い目だけが浮かび上がっていた。  人の姿をしていたアクロがじわじわと、その本性をさらけ出していた。  その暴力的な本来の気性に……  オーガ  彼女にはその単語しか出てこなかった。
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