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九頼 鬼は酒を所望する
大学から帰った。
ゼミに捕まったせいで、日はもう暮れていた。
町外れにある裏山の麓にある家。
幽霊屋敷だの、へんな宗教団体だの、噂が絶えない。
知る人ぞ知る祓い屋の一門が実家だった。
物心ついたときから、何かが見え、それがほかには見えないのだと教えられた。
戸惑うもなにも、幼い頃の話だから、当時どんな反応を示していたのかは覚えてない。
いろんな事を教えてくれたのは爺ちゃんだった。
祓い屋一門の長をしていたみたいだった。
俺には優しくも、修練に関してはほかの組員よりも厳しくされたような印象があった。
大学に入った後、祝いだと言い家を抜け出して一緒に酒を飲みにいった事がある。
そのときに、祓い屋一門は爺ちゃんの代で終わるつもりだったようだ。
組員含めてが家族だと思っていた。
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