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巨大な妖気を一瞬だけ感じた。
かなりの大物が……いや黒幕がおいでのようだった。
思わず陽一の口からため息が漏れる。
「梨杏」
「なんです?」
「今回の依頼主は誰や。あと、何が裏にいんねん」
ストレートな言葉に一瞬、梨杏の言葉をつぐんだ。
後ろにいるケイは押し黙りながら、二人の様子をじっくりと観察していた。
目の前は清水寺の山門。
それを目にしながら、梨杏は足を止めた。
「陽一、こん業界にも慣れてきたと思ったんやけど、それ聞くん?」
「なぁんやきな臭くてな。晴羅が電話よこしてきたってのが、一番気に食わん」
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