九頼 鬼は酒を所望する

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 吐き捨てるように彼は言い切る。嫌な奴らまで関わっているとなると、いろいろと我慢ならなくなってくる。  もはや、フルドラの言など、どうでもよくなってきていた。  元々、振り回されるというのが嫌いな彼だ。そこへ  そして、ゆっくりと煙管から紫煙を吸い吐き出す。 「企みごと叩き潰してやるで」  そういった瞬間、煙管の火皿(ひざら)をフルドラに向けた。  彼女が首をかしげるよりも、そしてケイの制止よりも早く、その火皿より灼熱の炎が火炎放射器のごとく吐き出されてきた。 「っ!?」  虚をつかれたフルドラは一瞬で火炎に消えた。  かのように見えた。  何か大きな影が、フルドラをすくい上げていた。
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