39人が本棚に入れています
本棚に追加
なぜこんな娘を使ったのか、試しているのか、ただの気まぐれなのか……
どちらでもかまわないが、嫌な一手だと、梨杏は心の中で嘆息した。
「まぁ悪いんやけど、これも仕事でね。潰れてもらうで」
その言葉が起点となった。
梨杏から湧き出る妖気に呼応するかのように、スタロが雄叫びを上げながら拳を振り上げた。
正面にいた陽一もケイもすぐさま飛びのいた。
恐ろしいことが起きた。
スタロが振り下ろした拳は、当然のように石畳を粉砕した。
しかし、起こったのはそれだけではすまなかったのだ。拳が地面深くめり込んでいくのと同時に、地下から水が噴き出してきたのだ。
これには二人も驚き、たじろいでしまった。
が、これがまずかった。
最初のコメントを投稿しよう!