九頼 鬼は酒を所望する

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 水柱をすぐさま巨人が叩く。すると、打ち出された水がまるで意思を持つかのように二人へと殺到するのだ。 「うせやろ!?」  ただの人間である陽一にそれを躱す術はない。 「ぎゃあ!」  悲鳴が上がった。  聞き覚えのある声で…… 「ケイ! てんめぇ」  陽一は激高と同時に気付いた。  梨杏の気配がない。 「あんのぬりかべ野郎が!」  だから信用出来ないのだ。  血煙を上げながら崩れ落ちるケイを抱き留め、彼は巨人を睨み付けた。  どうする?
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