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まっすぐにスタロへと飛翔し、振り上げた拳をむだのない動きで叩き下ろした。
しばし呆気にとられていた巨人もさすがに防御姿勢をとったが、ヒットの瞬間吹き飛ばされる。
体躯の差をもろともしない怪力がなせる力だ。
「ほんまは月見酒でもしてたいんやけどなぁ」
彼、現世の酒呑童子こと宮酒鬼市は気怠げに北欧の巨人を見下していた。
「なぁ月野」
「あ?」
「【酒ノ又三朗】貸してくれよ」
肩越しに振る返り、鬼市はにやっと笑った。
「まさか」
「そうやな。辛めの妖酒でもだしてくれや」
彼はそう酒を所望した。
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