39人が本棚に入れています
本棚に追加
その声に彼女は飛び上がった。
振り返ってみれば、そこに梨杏の姿があった。
もっとも、フルドラがしてみれば得体の知れない異国の怪士でしかない。
「あんじょう逃げはったが、ここが終着でんな」
「……」
「利用されとるだけやろが、けじめはつけてもらわなね」
爽やかな笑みを浮かべながら、梨杏はゆっくりとフルドラに近づいていく。
だが、そんな彼の顔が凍り付いた。
彼女にはその理由が分からなかった。
「あかん、逃げや!」
梨杏が叫んだ瞬間、フルドラの胸から黒い刃が飛び出していた。
最初のコメントを投稿しよう!