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「我らは滅びぬ! 今度こそ、都を我らの手に墜とすのだ」
「なんやそれ、時代錯誤も甚だしいやないか」
梨杏はそう嘆息しながら言い、そっと倒れ伏すフルドラの様子を見た。
地面を赤く染めていっている。
手当をすぐにしても持ち直すかどうか。
「今回は、出てこんと思ってたんやけど、どないしたんや?」
「少し目障りに思っただけですよ」
「へぇ? そら難儀なこって」
挑発するものの、妖怪としての格は向こうの方が上だった。
さらに言えば、あまり戦闘向きの性質ではない。
「時間稼ぎはみっともないですよ!」
そういった瞬間、【悪路王】が切り込んできた。
鋭い太刀筋をすんでで躱しながら、後退ではなく逆に姿勢を低くし、ラグビーさながらのタックルを仕掛けた。
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