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「く、卑怯な」
「ほう、悪鬼である君がその台詞を口にするんか」
声は【悪路王】の後方でしていた。
「面妖なヤツだ」
「君らとちゃうんよ。武闘派というわけじゃない。それに君に逢いたがってんは、僕よりも彼や」
ちりちりと殺気を感じていた。
そして、その明確な視線が突き刺さる。
月野陽一がそこにいた。
「人間の出る幕ではない。去ね」
切っ先を彼に向けながら【悪路王】はめんどうそうに言う。
「却下だ!」
「なら、首をはねるまで」
言うが早し、【悪路王】は滑るような動きで陽一の前に躍り出た。
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