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このままだと待つのはなぶり殺し……
やり過ぎれば、もう京都にはいられない。
どう考えてもマズイ。
「いい心がけ、じゃあ報いを受けな」
白木の棒に変化があった。
まるで生きているかのように枝が生えだしたのだ。しかもその先は無数の茨が生えている。
【茨木童子】の武器である妖刀【茨木】の力だ。
時を経て様々な激戦を繰り広げてきた妖刀が目の前にある。
どう切り抜けたものか、頭痛ばかりするが死んでいいことなどない。
そう、彼が腹をきめようとしていたときだった。
「そこまでにしとき」
少々めんどくさそうな声と同時に、扉が開く音がした。
その声の主に、【茨木童子】がうろたえだした。
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