終頼 命あることを祈る

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「目的はなんやったんだ?」 「わかりゃしないっすよ。まだ学生でしたしね。俺の使っている付喪神は、皆じいちゃんの使役していた奴らなんですわ」  主に使っているのは四種の付喪神だった。  巨人スタロとの戦いで、和紙の付喪神【鷲峰】が重傷となったが、今は概ね復調してきていた。 「相手は【悪路王】単体じゃない」  鬼市の言葉に、陽一も頷いた。  海外の怪士も引き入れる力がある。目的もまるで見えないが、単独犯なわけはない。 「ま、生きてりゃ次がありやすよ。生きてりゃね……」  酔いがじんわりと頭を溶かしていく。 「せやな。死ななきゃどうとでもなん……か」  めがねを押し上げながら鬼市はゆっくりと同意した。
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