弐頼 異変

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 そうして独りで生きていこうとした。  住む場所も、町中から山の麓へと移った。  そこは昔、先祖が住んでいた場所だと聞いた。  だから好きにしてくれていいと、姉から言われた。  何を目的として生きていけばいいのかもわからず、彼女はそこに住みだした。  静かな生活だった。  基本的には何者の干渉もない。  有り余る身体能力を駆使して、荒れた畑を耕し直し、生きていこうとした。  やり方は農家だった母のを見ていたから見よう見まねだった。  そうして、数年が経ったある日。  彼が現れた。  ぽっかりと胸に穴の空いた彼。  どこかその姿を自分と照らし合わせた。  そして、世界は彼女にも振り返っていった。          ・
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