弐頼 異変

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 目の前に人がうつ伏せで倒れていた。  ひどい血と臓物の匂いに場は支配されていた。 「親父に連絡は?」 「こ、これからです」 「サツや陰陽師……華峰院家(かほういんけ)の奴らには気取られるんやないよ。相手を探し出して、目にもの見せてやんな」  冷徹な声と共に、一部の男たちが動き出していった。  それを見届けながら彼女、穂積茨(ほづみいばら)は今一度、変わり果てた姿にされた元部下を見下ろした。 「……エグいやんか」  吐き捨てるように言い、松陰だったものの腕を引っ張り体を仰向けにさせた。
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