零頼 目覚め

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「ヨウちゃん、どうしたの?」  遠くから彼を呼ぶ声がする。  いつもならば、すぐに彼女の声のほうへと振り向くだろう。  しかし、このときは違った。  頭が痛い。  視界の半分が赤かった。  でも、彼が止まっているのは痛みのせいでも、視界が赤いせいでもなかった。 「ヨウちゃん?」  遠くだった声が、だんだんと近づいてきていた。  呼ばれている彼は視線を外すことが出来ない。  その目の前に映るそれは初めて見るモノだった。
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