39人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヨウちゃん、どうしたの?」
遠くから彼を呼ぶ声がする。
いつもならば、すぐに彼女の声のほうへと振り向くだろう。
しかし、このときは違った。
頭が痛い。
視界の半分が赤かった。
でも、彼が止まっているのは痛みのせいでも、視界が赤いせいでもなかった。
「ヨウちゃん?」
遠くだった声が、だんだんと近づいてきていた。
呼ばれている彼は視線を外すことが出来ない。
その目の前に映るそれは初めて見るモノだった。
最初のコメントを投稿しよう!