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「機械に使われる人生なんてごめんやね。俺は俺で生きたいんよ」
「老人みたいなこと言ってんじゃないよ」
いつものやりとり、何を言ってもそう簡単に意見を曲げないのが頑固者の陽一だった。
それが分かるからこそ、疲れる……
「あ~、もう嫌! 岩崎さん! いつものヤツ」
「あいよ~」
カウンターの奥で待ってましたとばかりに、岩崎は引いたコーヒー豆をサイフォンへと移していった。
「それで、何かあったんやろ? ケイ、話せよ」
「仕事よ、仕事。それ以外に何かあると思ったん?」
にべもなく言われ陽一はすぐさま渋面を作った。
「あ~嫌だ嫌だ。こんないい日に野暮だねぇ」
「働かざる者食うべからずよ。あんたなんか、真っ先に食い物を減らすべきね!」
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