参頼 貧乏暇なし

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 彼女の突っ込みに、陽一は視線を宙へと泳がせた。 「わかんね」  特に欲はない。  生きるのに必要なぶんはある。  食べるのに困っているわけでもない。  特別ほしいと思うモノもない。  何があるのかと聞かれれば、生きている、そう応えるくらいしか持ち合わせはなかった。 「ほいで、こっちに話が回ってくって事は面倒ごとなんやろ?」 「面倒……というか、正体すらまだ分かってないというのが正解」 「ん~、犠牲者はもういるっちゅうことかぁ」  陽一の口から、ため息が漏れる。 「今回の雇い主は?」 「さぁ、詳しいことは聞いてない」
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