参頼 貧乏暇なし

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 聞けよと、陽一は突っ込むが彼女は流していた。  そこそこに実績はあるが、吹けば消し飛びそうな小さな事務所だ。  あまり調子に乗るものではないと思っていた。  だが、彼は違った自分に正直に生き、思った通りに行動をしようとする。  それがたとえ、間違った事だとしてもだ。決めたことはやり通そうとする意思の力を彼からはいつも感じる。  だからこそなのか……年の割に脇が甘い。だからこそ、ほっとけないのだが……  ケイは心の中でごちながら、ため息を漏らした。 「そういや刀太は?」  陽一の言葉にますます彼女は半眼となっていった。 「別件で少し前から府外に出張っていったばかりやない。まだ戻ってきぃひんと思うけど」 「さよか」
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