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聞けよと、陽一は突っ込むが彼女は流していた。
そこそこに実績はあるが、吹けば消し飛びそうな小さな事務所だ。
あまり調子に乗るものではないと思っていた。
だが、彼は違った自分に正直に生き、思った通りに行動をしようとする。
それがたとえ、間違った事だとしてもだ。決めたことはやり通そうとする意思の力を彼からはいつも感じる。
だからこそなのか……年の割に脇が甘い。だからこそ、ほっとけないのだが……
ケイは心の中でごちながら、ため息を漏らした。
「そういや刀太は?」
陽一の言葉にますます彼女は半眼となっていった。
「別件で少し前から府外に出張っていったばかりやない。まだ戻ってきぃひんと思うけど」
「さよか」
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