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ため息ばかりが漏れていく。
彼は面倒そうに灰色の空を見上げ、観念したかのように酒瓶に栓をした。
「まぁ、お仕事しますか」
その言葉を聞き、ケイは満足そうにほくそ笑みながら彼の脇についた。
「うんで、何処に向かうよ?」
「そうね。まずは情報を集めたい」
「だよなぁ。まぁ近場からいきまっかね。事件が起きた場所は?」
「木屋町」
彼女の言葉に、陽一はしばし視線を宙に彷徨わせた。
「あ~と、アイツからあたるかね」
めんどくさそうなため息が小川のせせらぎに消えていった。
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