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大型バイクの音が閑静な住宅街に鳴り響く。
それを聞きながら、二人はあるものを待ち続ける。
「はいおまち」
そうして奥からそれが出てきた。
食欲をそそる香りと香辛料……
とろとろに混ざり合った餡が刻みの揚げに絡みついている。
「待ってました待ってました」
そう陽一は言いながら器を受け取る。
隣に座るケイも同じモノを受け取った。
そして、二人の目の前……ダレもいないそこにも器が置かれる。
それと同時だった。大型バイクの音が消え去り、のれんを大きな影がくぐってくる。
「うんら、今度はなんばしよった!?」
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