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ドラのような声と共に痛烈な方言が聞こえてきた。
「あ~、来よったか。まぁ座り座り」
登場と同時にテンションがMAXと言っていいほどの騒ぎっぷりを流しながら、陽一は五月蠅いソレを見た。
「おいを呼び出してからに、なんの用ばい」
文句を言いながらも、大柄な大柄な方言男……鬼八は椅子に座った。
当然ながら京都の者ではない。もっとも、こっちに居着いて2年ほどと聞いているがこの九州のどこかの方言が和らぐ気配は一切なかった。
「まぁまぁ、ちょうど来たところやし、まずは食えや」
「ん……」
濃厚なカレーうどん。
この古い古い店の看板メニューだ。
京都特有のこしがない麺だが、出汁が効きスパイスと風味がたっぷりとした餡掛けカレーはいつでも絶品だった
店内に入れる人数はせいぜい6人ほどくらいしかない狭い狭いところだ。
昔ながらの日本家屋を一部を改造……いや、土間の部分を一部改造して軒下まで店先を伸ばしただけの狭い狭い店だった。
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