参頼 貧乏暇なし

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 齢、いくつになったのかも定かではない(ばぁ)様が一人で昔から営んでいた。  時より、どこか何もないところを向いていると近所の悪ガキたちからも恐れられている妖怪婆でもあるが、彼らも文字通り本物の妖怪であるとは思っていないだろう。  世の中そんなものだ。  見えている現実など一握りしかない。  すぐ隣は非常識。いや、人知を超えたものがいくらでもあるものだった。  陽一はうどんを半分ほど食べてから、ようやくうどんにがっつく鬼八を見た。  ちなみに彼だけは、カレーうどんのほかにいなり寿司も出ていた。   巨体を維持するのは人間でも妖怪でも大変らしい。 「さてさて、本題なんやけど」 「なんね?」  いなり寿司を咥えようとしているときに声を掛けられ、鬼八はすこぶる迷惑そうに睨み付けてくる。 「最近起きている木屋町の殺しはどんな感じやったん?」  陽一の言葉に、鬼八はさらに渋面を作った。
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