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「目的が見えない。なぜ妖怪ばかり……それも男を喰い殺す?」
彼女の言葉に、陽一は首をすくめる。
そんなのは捕まえた後に吐かせればいいだけの話。
分からないことまで分かろうとする必要があるのだろうか?
世の中は単純明快が一番相応しい。
煩わしいことはなく、そう……まさにアルコールが脳内に浸っていた方が幸せというものだ。
少なくとも、陽一は基本そんな考えになってしまっていた。
「とはいえ、今のところ被害にあっているのは」
「鬼夜叉組の構成員一人、野良妖怪が二人ってところね。野良の方は半分チンピラね。たまにトラブルを起こしていたよう」
「ん~……この犯人っていいヤツなんかね?」
「は?」
陽一の言葉にさらに冷めた声音が吐き出された。
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