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「いやだってよ。まぁ人間に悪さしてたチンピラに、全てじゃないのは理解しているがまぁ表向きはヤクザな鬼夜叉組をやったんだろ? 見方的には人間より?? に見えるけどねぇ」
陽一の視点は、あくまで一般人から見た感覚だろう。それはケイにも理解出来たが……
「私も半分妖怪なんやけどね。私も狙われてもええってことやね」
鼻を鳴らし、彼女はすぐ西側にある木屋町のほうへと歩いて行こうとする。
「……やれやれ」
その背をみながら、頭を掻く陽一はケイの思うところをあまり理解しているとは言いがたかった。
とはいえ、今ではこう様々な妖怪と話すようになってはいるが、その前までは激しいまでの憎しみを妖怪へと向けていた。
部分的によってはそれは今も変わることはない。
ケイも理解している。
そして、それが年々和らいでいるのにも理解している。
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