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いつもよりも控えめな声でケイも挨拶をする。
「あぁ、荊さんも一緒ですか。助かります」
鍋嶋は彼女を視界に捉えると、こっちだと言わんばかりに背を向けた。
彼女の向かう先は一歩脇にはいった細い細い路地だった。その先に黒スーツの男が三人ほど見えている。
「発見されたのは、1時間ほど前だ。たまたま巡回をしていた私服陰陽師が見つけたため、騒ぎにまでは発展していない」
鍋嶋が近づいてきたのを確認すると、男たちが一歩引いた。
「外を見張っておくように」
「はっ」
年齢的に、どう見ても鍋嶋のほうが若いが男たちは神妙な面持ちで指示に従っていった。
そこには二の腕から先が日本と、腰の一部から足先までが残った人型だったものの残骸があった。
「あちゃぁ、こりゃきっついやん」
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