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さすがの食い散らかしようにさしもの陽一も渋面を作った。
それはケイも同じだったようで一歩引いた位置から見えていた。その表情はライトの位置関係で影となりよく見えなかった。
「それで、私たちが呼ばれた理由は?」
「決まっているでしょ」
妖怪退治、そう簡潔に鍋嶋は言った。
「それはそちらの専門やろうに……」
「殲滅するんはそうやね」
ニヤリと笑いながら彼女は獰猛に言った。
形は京美人に見えるが、これでも華宝院家の武闘派の一人、妖刀使いの鍋嶋紀三だ。その辺にいる三下程度の妖怪ならすぐに下ろしてしまうだろう。
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