四頼 背後にご注意

10/14

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
 さすがの食い散らかしようにさしもの陽一も渋面を作った。  それはケイも同じだったようで一歩引いた位置から見えていた。その表情はライトの位置関係で影となりよく見えなかった。 「それで、私たちが呼ばれた理由は?」 「決まっているでしょ」  妖怪退治、そう簡潔に鍋嶋は言った。 「それはそちらの専門やろうに……」 「殲滅するんはそうやね」  ニヤリと笑いながら彼女は獰猛に言った。  形は京美人に見えるが、これでも華宝院家の武闘派の一人、妖刀使いの鍋嶋紀三(つなみ)だ。その辺にいる三下程度の妖怪ならすぐに下ろしてしまうだろう。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加