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「二十分後に木屋町で追っているヤツが動くだとさ」
「やけに直接的な言いようじゃないさ」
ケイの言葉に陽一は舌打ちをする。
祇園界隈を拠点に様々な予言……いや占いをする奇怪な女、それが晴羅だった。あまりの的中率に金をいくら積んでも自らの占いを聞きたいと様々な人間が接触しようとするが、大抵そういう人間は彼女と出会うことはない。そういうことすらも出来る女……いや存在そのものが怪士とも言える人間だった。
出会いもまた普通ではなかった。
ちょうど一年ほど前だった。陽一とケイ、そして事務所の主と共にある妖怪を追っていた。
捉えようとしたとき、彼はあるへまをした。それは命取りとなりうる場面だった。その最中、ある機転により陽一は命拾いをした。
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