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その部分においては命の恩人ではあるのだが、その後がいけなかった。
晴羅は彼の逆鱗に触れた。
そのときの彼を止めるのには苦労した。
ケイとしても、噂ばかり聞いていた彼女と会うのはその時が初めてだった。だからこそ、ケイからも晴羅の印象は最悪だった。特に用がなければ会いたくもないし、関わり合いたくもない。たとえ、同じ空間にいたとしても自分から話しかけることはないだろう。だが、仕事上からか、時より直接の接点はないが、間接的に彼女の影が見え隠れしているのは感じていた。
その辺りはあくまで彼女も陽一も雇われの身。雇い主である真壁梨杏が必要と感じているのか、それとも元より繋がっているのかまでは分からなかった。
「この件、あの女が絡んでんなら……」
「ヨウ、だめだよ。私だって嫌やけど、仕事は仕事。まだ誰からの依頼ともわかってへんし、投げ出した場合、どんなペナルティーがあるかわかったもんやない」
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