六頼 異国の怪士

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 天涯孤独となり、途方に暮れていたところにやってきたのが姉と名乗る彼女だった。  いきなりの事に動転もしたし、彼女たちの正体を知って、さらに驚き絶句した。その先の真実は、驚愕を通り越し、私の中の価値観を全て破壊してしまった。そして、私は世捨て人同然の暮らしを送っている。  何をすればいいのか全くわからなかった。  そんな中途半端な存在。  最初はぼんやりと見ていた。  それが何かを理解するのに、まず時間がかかってしまった。  だってそうだろう。  誰もいないはずの地に、人がそれも血まみれになって変わった大木にもたれ掛かりながら崩れ落ちていたのだから。
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