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生き物の気配がしない世界だった。
見た目は変わらない世界。
だが、明らかに知らない世界。
ここの存在を教えてもらってから何年になるだろうか?
それでもどこかに拒絶感があるのは否めない。
そういうものだと割り切る。
人間が入るべき世界ではない。
それが結界の中。
妖怪が本来いるはずの似て非なる世界、異界だった。
人が集まりだした騒々しい木屋町で、犯人を見つけ追跡し出して三十分。
中心街である木屋町よりも北上し、下鴨神社の下にある賀茂大橋の袂にて彼女は止まった。
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