六頼 異国の怪士

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 だがイントネーションが明らかに違う。 「オーガ? 失礼なやっちゃね」  そんな低俗な奴らと一緒にせんといて、とケイが牙を剥いた。  激高するケイを視界の端に納めながら、陽一が片目をつぶる。普段理性的ではあるが、怒り出すと烈火のごとく苛烈になる。おそらくはそう言う血筋なのだろう。異母姉であるあの……現茨木童子もそうだと聞いている。  頭に血が上りやすいのも、その血筋のせいであると決めつけてしまうと、かなりしっくりくる。  それだけ、茨木童子の血筋はいい噂を聞かない  とにかく、予想はしていたが、やはり国内の怪士ではなかった。  最近、日本への観光客が激増と同時にいろいろな国の怪士が入り込んでいるとは聞いていた。  京都の場合、他地域よりも入り込むのには関門が待ち構えていた。
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