七頼 半分の枷

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 長い灰髪を一つに束ね、彫りの深い顔はこれまでの道のりを物語っている。  現鬼夜叉組組長、鬼童丸は立ち上がれぬ穂積荊(ほづみけい)を見下ろしていた。 「嫌や。こんなんじゃ帰れへん」  彼女は這うようにして手短な木をつかもうとする。  藁をもすがる姿に鬼童丸は舌打ちをし、容赦なく彼女の横腹を蹴った。 「がふっ!?」  胃液が逆流し、反吐が地面に広がっていく。 「お前の意見なぞ、聞いとらんのや。姉の(いばら)たっての頼みやから、稽古をつけてやったが才がなさ過ぎる」  鬼童丸に稽古と称し山に来て三日となる。  それまで現茨木童子である姉、穂積茨に稽古をつけてもらっていた。  それなりに上手くいっていたと思ったのだが、それは間違いだったのだろうか? 「死にたくはないやろ。手を引きや」
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