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絶好の機会、バランスを崩している相手に避けるすべなどない。
陽一の顔面に、凶悪な拳がたたきつけられようとしていた。
そして、音
何かがひしゃげる音が静かに重々しく響いた。
悲鳴は上がらない。
それもそうだろう。
まともに当たれば人間の華奢な頭部では、骨折どころか吹き飛んでもおかしくないほどの威力だ。
彼が生き残れる可能性は……
う、うぎゃあああ!!!
情けない悲鳴が上がる。
痛みをこらえるかのように、右腕を左でつかみ、天へと掲げるかのようにして、それは崩れ落ちる。
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