七頼 半分の枷

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 その様子を白い狼男も目にし、動きを止めていた。 「悪いねぇ」  紫煙をゆっくりと吐き出し、彼は崩れ落ちた狼男を見下ろした。 「よわっちぃから、いろいろ使うのさ」  いつの間にか出したキセルを上手そうに吸い込み、右手に持つ白く細い棒のようなものを振る。すると、地面に赤いまだらができあがっていった。 「それじゃあまぁ、さいなら」  彼はそれを振り上げ、無造作に狼男の頭に振り下ろした。  ぱああぁぁん!!という、大きな大きな破裂したかのような音と共に、狼男は泡を吹きながら混沌していった。 「いっちょ上がり」  つまらなそうに、陽一は言いもう片方の……ケイのほうを見た。              ・
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