七頼 半分の枷

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 だが、そこまでだ。  攻めとしては決定打がない。  カウンターで剣を振るおうとするが、今一歩遅い。  機動力で圧倒的に不利に立たせられている。  焦りのためか、足取りが緩慢となり、ますます攻撃が当たる気配がなかった。  この様子に、狼男もじっくりとケイをいたぶり、確実に刻もうとする動きへと変わっていった。  執拗な攻撃ではなく、彼女のミスを誘いに行っている節がある。  実力の問題もあるが、相性もまた悪いと言わざるを得ない。  焦りがじわりじわりと彼女を支配していく。  逆転の秘策はある。  しかし、一回きりしか使えない。  当てられない場合は、じり貧で削り取られていくだろう。
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