39人が本棚に入れています
本棚に追加
だが、そこまでだ。
攻めとしては決定打がない。
カウンターで剣を振るおうとするが、今一歩遅い。
機動力で圧倒的に不利に立たせられている。
焦りのためか、足取りが緩慢となり、ますます攻撃が当たる気配がなかった。
この様子に、狼男もじっくりとケイをいたぶり、確実に刻もうとする動きへと変わっていった。
執拗な攻撃ではなく、彼女のミスを誘いに行っている節がある。
実力の問題もあるが、相性もまた悪いと言わざるを得ない。
焦りがじわりじわりと彼女を支配していく。
逆転の秘策はある。
しかし、一回きりしか使えない。
当てられない場合は、じり貧で削り取られていくだろう。
最初のコメントを投稿しよう!