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どうせ朽ちるだけの身だったはず。
違う可能性があるのならば、それはそれで試すだけのこと。
「命を救って頂きました。この身は貴方に捧げます」
その言葉に彼はゆっくりと優雅に頷いた。
次の瞬間、水晶に映る彼は暗くなり霧散していった。
「……明後日出発」
東洋人は片言で言い、ゆっくりと踵を返していった。
明後日、ようやくこの地から離れられる。
そして、早く会ってみたい……
水晶に映っていた彼……それはそれは本当に美しい白い狐だった。
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