八頼 北より来し者と石壁

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「平気か?」  徳利(とっくり)を背負いながらゆっくりと陽一が近づいてきた。  その言葉にケイは深い溜息をつきながら、ゆっくりと小太刀を拾い上げた。 「なんとかね」 「しっかし、こんな手練れのボディガードがいるってのは、あの女何もんなんやろな」  倒れている2人は、この前の【かくえん】なんかとは比べものにならないほどの者だった。  追跡については、【鷲峰】を放っているため問題なく捕捉を続けている。  とはいえ、この二体をこのまま放置するつもりにも行かない。  軽く嘆息したときだった。 「おおきに、ご苦労様やね」  場にそぐわない爽やかな声音に、2人が2人して深い溜息を漏らした。
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