プレミアムフライデー・ナイト

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【side mitsuki/待宵】 「連絡先は後で俺がまとめて聞くから、個別に聞くなよ」 幹事の佐伯が、水色のネクタイを触りながら、なぜか得意げな顔でそう言った。 女の子が来ると大っぴらには話せないことを、先に打ち合わせておくのは最低限のマナーだ。 男側からすれば至極当たり前のことを、お互いに再確認する。 俺の隣で、浅野が「ドリンクフリーだっけ?」と眠たげな声で呟いた。 「カタカナ使うなウゼー。飲み放題だよ、当たり前だろ。あと会計は俺がとりあえずカードで払っとくから」 会計は当然幹事の仕事。浅野も俺も、佐伯に礼なんか言うこともなく「はいはい」と上辺だけの返事をした。 二人とも同じ大学の同じ学科卒。主に佐伯のひと声で集合して、未だにこうやって合コンに行ったり男だけで飲みに行ったりしている。 金曜日、明るすぎずいい感じの雰囲気の店内は、ほぼ満席状態だった。 俺たちが座っている半個室の席から向こう側を覗くと、鮮やかな料理を囲んで賑やかに笑っている男女のグループが目に入る。
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