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岳斗サイド
「しっかり私の前座を努めるのよ。」
ちょっとだけ先輩の中学二年のお子ちゃまから激を飛ばされる。
あっ、俺は城ヶ崎岳斗。山口プロダクションから今回メジャーデビューが決まった。俺のファーストネームがグループ名なんて…。茜さんはボン・ジョヴィ見たいでカッコいいじゃんって言っていたけどさ。
「家族席に私のお姉ちゃんがいるから。滅茶苦茶美人だから見てみてね。」
前座とはいえ、初舞台の俺にそんな余裕あると思ってんのか?まぁ、このお子ちゃまもそれなりに可愛いからお姉ちゃんも可愛いんだろうか?
舞台に立つ。予め茜さんが広告を打ってくれたので、俺達のファンもいる。うん、楽しい。
終盤にさしかかり、少し余裕の出た俺は、家族席を見る。そこには3人の女の子。その真ん中にいる女の子に俺は目を奪われた。
や、ヤバイ。必死に平常心を保とうと無理やり笑顔を見せる。一応印象に残るようウインクをして舞台に目を戻した。
「おい、お姉ちゃんの写真見せろ。」ライブ終了後、舞花に詰めより、お姉ちゃんの写真を見せてもらう。やはりあの子だ。
「なに、お姉ちゃんに惚れたか?」
「ああ。」
「えっ、まじで?」舞花はかなり驚いていた。
「まあ、あんたならお姉ちゃんにお似合いかもしれないけど…。」
「何か問題でも?」
「お姉ちゃん男に面識ないからなぁ。家族やその関係者としか話したことがないはずよ。」
「なんとか協力してくれ。」
「しゃーない。イケメン後輩と大事なお姉ちゃんを引き合わせてやろうじゃないの。」
「あてはあるのか?」
「ある。今年お姉ちゃん学園の文化祭役員になっていたから。あんたはM女の文化祭で歌うのよ。その窓口にお姉ちゃん指名してやるから、あとは頑張りな。」
「サンキュー。」生意気な先輩お子ちゃまの頭を撫でてやりながら、攻略を考えるのであった。
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