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「いよいよ明日ね。」
「綾花ちゃんが窓口でよかったよ。」
「私こそ。岳斗さんが私をリラックスさせてくれたから。」
夏休みから始まった岳斗さんとの打ち合わせ。舞ちゃんのライブでデビューしたGAKUTOはあっという間にトップグループに登り詰めた。忙しいのに、スケジュールをぬって週1回は私と会ってくれた。最初は上手く話せなかった私も岳斗さんと会うのが楽しくて…。嬉しくて…。
「どうした?」「えっ?」
「なんで泣いてるの?」
いつの間にか私の目から涙が…。そっか、明日の本番が終わったら…。
そう考えたら溢れる涙が止められ…。不意に目の前が真っ暗になる。ぎゅっと抱きしめられている?
私岳斗さんに?
「すまない。綾花ちゃんの涙見ていたらこれしか思いつかなくて…。」
私の目の前。岳斗さんの胸。ドキドキ心臓の音。彼の体温。優しく包み込んでくれる腕。安らぐ。このぬくもりを離したくない。私も岳斗さんにぎゅっと抱きついた。
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