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妹帝に触れられていた頬が、また、じんと熱くなった気がして、そっと自分の両手を重ねた。
私は、その手を求めていた。ただそれだけだった。
ツヅの温もりをただひたすらに求めた小さな幼女が、私であった。
こんな卑小な私が“私”なのだと受け止め、それが意外に温かく感じることを静かに驚いて、私は再び考え始めていた。
ツヅは私に何を求めていたのか、もう一度問う。
“梅宮らしくあることが、私の望みです”
彼の言葉が、今度こそ私に届いたと感じた。
こんな私にも、できることがあるかもしれない。こんな私だと、判った今だからこそ。
その時だった。
振りかぶった腕が勢いよく下ろされる動きを、横に感じた。
見えたわけではない。それでも何が起こるのか、嫌な予感はあった。だからこそ、急いで振り返ったのだ。
しかしその時にはもう、男性がツヅに短剣を刺し終えていた。
男性が怒鳴り散らしているのも、周りの人間が男性を取り抑えるのも目の端には捉えたが、意識はただツヅだけに向かう。
胸部に短剣が刺さっていた。
ツヅの顔へ視線を向け、顎の下に手を差し込む。まだ温かい。脈もあった。
となれば、私ができることは1つだ。
神の力を以てしても死人を蘇生することはできない。
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