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その店内は少しばかり普通の花屋と違っていた。色とりどりに織られた布の上に椿のそれとよく似た種が、ごろごろと転がっている。
そこには、酷く顔立ちの美しい少年が立っていた。
少年が、にっこりと笑ったような気がした。
「今日はどんな花をお求めですか?」
背中に声をかけられた。彼は彼の意志など全く無いかのように、一つの種を見ていた。気がつくと、
「ひとつ、いただくよ」
と続けていた。無意識に出てきたその言葉は彼にとって衝撃的だった。
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