花七日

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 暫く泣いて、少し落ち着いたころ、老婆は茶を入れなおしながら小さく微笑んだ。 「もうちょっと待っておいで。今、予約のお客さんが来るところなんだよ」  女は不思議そうに老婆を見た。こんな人里はなれた場所に、予約までして尋ねてくる客など、あるのだろうか。  だが、その女の疑念を打ち消すように、すぐにドアがノックされた。 「あいてるよ」  老婆は女が来たときと同じように返事をした。
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