花七日

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 スーツ姿の女は、他に何があるのかと言う顔で見返してきた。  女は、枯れてゆく時の、少女の姿を思い出した。  思い出すだけで胸が詰まる。  スーツ姿の女は、そんな女の変化に気がついたのか、テーブル越しに手を伸ばして肩を叩いてきた。 「悲しむ事はないわ。だって、七日間で枯れてしまうものはどうしようもないの。そういうものだから。でもね、大丈夫。慣れるわ」  女は驚いて顔を上げた。
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