高滝神社と高滝霊園

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  隠れるとしたら木箱の裏側しかないわ… 理沙は身を隠す場所は、御神体を置いてある木箱の裏側しかないと考えていた。ライターの炎もいつまでもつけていては危険だ。静かに物音を立てないで木箱の裏側に回った。ザッザッ、ザッザッ、あっ! 足音が聴こえるわ、このまま見つかりませんように… 黒田明は高滝神社には何度か来たことがあるようだ。点検する場所、隠れるとしたら本堂の中しかないと思っているようだった。 本堂の正面に立ち、腹を減らした狼は両手を合わせてお祈りを始めた。 この本堂の中に俺が食べるご馳走がいますようにとーーー レイプマン黒田明は右手に持ったライトで本堂を照らしながら、左手で引戸に手をかけてススーーと開けてみた。  おおっーー凄いな、立派な神様だ… レイプマン黒田明も高滝神社の本堂に祀られている御神体には、驚いたようだった。 しかし本堂の中には誰もいないので引戸を閉めてしまった。 やった、見つからなかった、これで大丈夫かな… 木箱の裏側に潜んでいた理沙も一安心していた。
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