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花は精神を病んでいる。
きっかけは恋人から言われた何気ない一言だった。
「花、もうちょっとやせたらもっと可愛いのにな。」
その頃の花は身長157cm、体重45kgと決して太ってはいなかった。花はダイエットを始めた。食べる量を減らし、毎日1時間走った。けれど元々やせていたため、なかなか体重を落とせなかった。
そんな自分に苛つき、ある日まるで何かが弾けたように手当たり次第に食べ物を貪った。我に返り、自分が食べたその量に愕然とした。
(このままじゃやせることなんてできない…)
花は焦り、トイレに駆け込むと、自分の指を喉の奥に突っ込んで吐いた。吐いて吐いて、疲れ切ってベッドに倒れ込み、その日は眠った。
次の日、体重は1kg減っていた。あんなに苦労しても落ちなかった体重が、なんと一晩で1kgも落ちたのだ。花は喜んだ。
その日から食べ吐きの生活が始まった。
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