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1週間たった頃、恋人は花を見て
「花、ちょっとやせたな。綺麗になった。」
と言った。花はとても嬉しくなり、もっとやせようと決めた。
花は食べ吐きを繰り返した。食べた物を吐くことによって、自分の中にある黒い感情や邪な考えまでもが外へ出ていくような感覚を覚え、それは花を爽快な気分にさせた。
けれど母親は、みるみるやせていく娘を心配した。
「花、どうしてそんなにやせていってるの?ごはんはちゃんと食べてるのに。」
「お母さん、わたしダイエット中なの。食べた分だけ動いてるのよ。」
「でも、やせ過ぎよ。花は十分やせてるわ。」
「わたしはやせてない。もっとやせなきゃいけないの。」
「ダイエットなんてもうやめなさい。お母さんを心配させないで。」
「これはわたしの問題なの。お母さんは黙ってて!」
花は母親の言葉に苛つき、やせることへの執着をより強くした。
花の心は、壊れ始めていた。
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