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入院してから3日間、吉井は毎日花の様子を見に来た。短時間ではあったが、吉井は花の話に耳を傾けた。
そして3日目、とうとう花は食事への不満を吉井にぶつけた。けれど、吉井は決して花の食事への要求を聞き入れることはなかった。
「普通の食事に、して下さい!もっと、食べたい!」
「それはできません、これ以上吐き続けると命に関わるんですよ。」
「構わない!思い切り、食べて、吐きたいんです!我慢、できないんです!」
「医師として許す訳にはいきません。」
「わたし、狂いますよ!?いいん、ですか!?」
「それは困ります。でも食事はこのままです。」
花がいくら語気を荒らげても、吉井は頑として花の意思を通さなかった。
「もういい!出てって、下さい!!」
「藤本さん、落ち着いて下さい。」
「もういいって!!」
吉井は看護師に鎮静剤を用意させ、暴れ始めた花を押さえつけて注射を打った。花はすぐに意識が混濁し、眠りへと落ちていった。
薄れていく意識の中で、花は吉井を心底呪った。
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