第十一章 老兵行脚(続き)

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突き放せ闇のこころは闇世界聖ミカエルに半端はあらじ あすもまたいみじきことにむかふなり一睡なりとも寝らればこそ ※「ばこそ」:~はずがない。ここでは「寝れるはずがない」となります。 ※明日が面接とか、明日から仕事となればフレディ・ストーカーどもの睡眠妨害はことのほか激しくなります。 いときつくいとわりなくもなりにけり悪鬼のすさびははしたなきかな ※寝るということは霊体が肉体から離れることを云う。悪しき霊視の輩はそれが見えるのでその都度叩き起こす。受ける側からすれば云うに云えない、拷問のようなものです。 昨日けふ明日去年(こぞ)今年いつまで続くぬかるみぞ、しゑや 行きななむ疾く消へななむこの馬頭ら憂ざたくくさし18年憑けば ※「ななむ」:~してほしい。ここでは「行ってほしい」「行っちまえ!」です。 笑はれて疎まれつつもなほ行かむ老兵行脚尽きることなし さるほどにあはれ面接過ぐしつつ老兵行脚も仕舞ひとすめり かにかくに雇ひくれたる一社ありいま応ぜずばまたはなし、いざ… やうやうに日の本支ふるシルバーに我もなるめりいざ働かむ あれ買はむこれ買はむさて入会せむかはゆきよな職得たりし翁 明日仕事寝らな眠らな気のはやるされどフレディら嘲笑(わら)ひをるがね しゑや、しゑ、どこまで続く災難ぞ鬱屈しずむを避けんとするも ※「しゑや、しゑ」:「ああ、ちくしょう」とかいう意味です。 ※勤め始めていくばくもなく表で昼食した折りに転げてしまい足を挫きました。腫れ上がり、安全靴が履けないほどに痛む。『これはもう無理…』と弱気が走る。 足くじき痛みひかねど働かむよろづの試練きそひたちぬ ※「ついてない」とか「こんな目に遭ったのだから仕方がない」とか云っては、事を投げ出してしまう性癖が私にはあります。何度も誓った禁煙もそうです。しかし「ああ、そうかい」とばかりに「じゃあもっと試練を与えてやるよ」とでもする存在が私の背後にはあるようです。それを守護霊と云いましょうか、サードマン、自分以上に自分を知っている第三の男とでも云いましょうか。彼に妥協はないようです。「おまえがわかるまで、悟るまで、何度でもやってやる(試練を与え続けてやる)」と言明するがごとし。厳しいですがしかし、もし自らの弱さを押しのけて、本当に正しく生きようとするならば、これほど頼りになる存在もまたないだろうと、そう心得ております。
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